Myy's Life

観た・行った・読んだものなどの備忘録。

ゴッホとゴーギャン展@東京都美術館

秋晴れの土曜日、上野公園まで行ってきました。目的は、こちら。

www.g-g2016.com

 

ゴッホゴーギャンが共同生活をしていたことは大変有名ですよね。そして、その生活がわずか2ヶ月で破綻してしまったことも。

この展覧会では、その時期の作品を中心に、ふたりの初期から晩年までの作品がまんべんなく展示されていました。こうしてじっくり変遷を見たのは初めてで、とても興味深かったです。

特におもしろかったのは、ゴッホの絵の変わりよう。どうしても「ひまわり」や「種まく人」などなど、厚塗り極彩色!のイメージが強いゴッホですが、絵を描き始めた当初はミレーらバルビゾン派の影響を強く受け、落ち着いた重厚な雰囲気の絵が中心だったのです。その後、パリに出て印象派の画家たちと交流を持つようになると、とたんに明るいパステル調の画面になっていきます。今回のポスターにも使われている自画像はまさにこの時期のもので、筆づかいも色合いもそれまでのものとは全く異なっています。

次のターニングポイントは、モンティセリという画家との出会い。彼の絵は絵の具を何度も塗り重ねた厚塗りが特徴で、ゴッホはこれを絶賛したそうです。モンティセリの絵も展示されていたのですが、その厚塗り感と茶色を基調とした独特の色づかいから、絵画というよりもまるで立体感のある壁画のような、なんともいえない重厚感が魅力的でした。ゴッホはこの絵に影響され、厚塗りの技法を取り入れていったとされています。

そして、アルルに移ったゴッホは全盛期を迎えます。ひまわり、日没の種まく人、ローヌ川の星月夜などなど、代表作ばかりです(残念ながら今回は展示されていませんでしたが)。この時期には、厚塗り技法に、独自の青・オレンジ・黄色の色調を組み合わせ、これぞゴッホ!といった作品が次々と生み出されていきます。この時期の作品がもつエネルギーは、本当に強烈で、もしもこれが部屋にあったりしたらそのうちめまいが起きてしまうだろうなという気がします。それだけすばらしいということなのですが。

ゴッホがこうした境地に至るまでには、さまざまな画家たちの個性を柔軟に吸収し、自分のものにしてきたプロセスがあったのだということが、非常によくわかる展覧会となっていました。

もちろん、ゴーギャンの絵もすばらしかったです。特にタヒチに行ってからの作品は、観ているこちらまで南国にいざなわれるような空気感でした。一方で、聖書の場面なども取り入れており、なんというか、オリエンタリズムというか「西洋から見た未開文明」を理想化しすぎているのではないかという印象も受けました。もちろん本人は本当に理想郷だと感じていたのでしょうし、それが悪いというわけではまったくないのですが。。

一番最後には、ゴーギャンが晩年に描いたひまわりが展示されていました。二度と再会が叶わなかった友人に対する複雑な思いが感じられるような、少ししおれたひまわり。なんともドラマチックなふたりの画家の人生に、思いを馳せた展覧会でした。

帰りにはすっかり日も落ちていて、スカイツリーと並んだ大きな満月が見えて、とっても美しかったです。いい休日でした。